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大信州酒造
2024.03.18
酒蔵・ワイナリー紹介
長野県松本市にある大信州の酒造りは、取り巻く環境すべてに感謝を捧げながら造る「愛感謝」仕込みです。
人に限らず水・米・道具、そして目に見えないものにまで愛情や感謝の気持ちをもって日々酒造りに臨んでいます。蔵に入ると「愛感謝」と蔵人一人一人が手書きした紙が持ち場に貼ってあります。一枚一枚違う字を見つめていると、それぞれに込められている想いが一つとなって「大信州」というお酒に生まれかわるありがたさをかみしめずにはいられません。
「効率を求めた加工品ではなく、土地の文化を映しこんだ正真正銘の地酒でありたい。」揺らぐことのない酒造りへの姿勢。このお蔵を語るにはたくさんの時間が必要です。
―水と米―
蔵を訪れると、壮大な北アルプスの山々が目に飛び込んできます。その、凛とした山々の姿からは想像できないほど、やわらかい口当たりと細やかな舌触りが特徴の北アルプスの雪解け水。長い年月をかけて地中をめぐり、再び地上に現れる水です。
そして、求める酒米・目指す酒を共有し、共に酒造りに真摯に向き合う長野県下の契約農家さんの米。何度もお互いの想いを語りながら、どんなに手間がかかろうとも、非効率であっても良いと思ったことは取り入れながら、酒米の生育を見守り続けています。
こうして搾りあがったお酒は時にやわらかく優しく喉元を過ぎていき、時にはしっかりと己の存在感を残していく。気が付けば、すっかりお酒に魅了されている自分がいる。この水と米なくして大信州の味わいは語れません。
―今、そしてこれからの酒造り―
2拠点のひとつ豊野蔵は令和1年度の造りをもって閉じました。豊野蔵では現在の「大信州」の礎を築いた下原多津栄杜氏がいつもニコニコと優しいほほえみで迎えてくださいました。座右の銘は「以和為尊」(わをもってとうとしとなす)で、お酒の名前にも使われています。「おら、まあるい酒がいいと思う。蔵人同士の関係に角が立っていれば、角のある酒になる。調和のとれた蔵人たちが造る酒は、まあるい酒になるんだ」と話していたそうです。現在ではすべての酒造りを松本の新蔵で行っています。下原杜氏が長年培った技能と想い。その世界観を今に、そして未来に引き継ぎつぐべく極寒の蔵の中で尽くせる限りの手を尽くした「天恵の美酒」が今も変わらず生まれ続けています。無限の可能性を秘めた酒造り。大信州のこれからにわくわくが止まりません。